ストロボを購入して色々と使ってみています。
その際に目安となる露出を計算で出す為にガイドナンバーについてまとめていきます。
実際の適正露出は撮れた写真を見て適宜調整していきます。
適正露出とは?
適正露出って言われても困りますよね。どんな露光状態のことを表すのでしょうか?
適正露出とは「黒が黒に、白が白に、赤青緑が赤青緑に写っていること」を指します。
なにを当たり前なことを…と思われたかもしれませんが、これが意外と難しいです。
白飛びや黒潰れなどが典型的な失敗です。
(もちろん意図的に白飛びや黒潰れさせることもありますが、意図しないという意味で)
適正はあくまで標準状態なので、ここから撮影者の意図に合わせてアンダー (暗く) にさせたりオーバー (明るく) にさせたりします。
↑適正相当。リンゴの赤色もヘタ部分の影も王林のハイライトも全て表現できています。
↑オーバー露出 (+1EV相当) 。ハイライトが飛びかけていて、王林の色が不自然に白いです。
↑アンダー露出 (-1EV相当) 。ヘタ部分が潰れかけています。リンゴの赤ってこんな色じゃないですよね。
ガイドナンバーとは?
では、本編です。
ガイドナンバーとは「ストロボから1mの距離にある被写体が適正露出になる絞り値」と定義されます。
一般的には基準感度となるISO100での値となっています。(どのISO感度かは併記されています)
ここで、ストロボを使う場合は (同調速度より長い場合) シャッタースピードは関係なくなります。
これはとても重要で、ストロボが当たらない範囲の露出を被写体と分けて調整できることを示唆しています。
(詳しい理屈の話は別途記事にします)
照射角とガイドナンバーの関係
ストロボには照射角というものが設定できるようになっています。
照射角はレンズの焦点距離に合わせた [mm] の単位で表現されます。
※メーカによっては照射角ごとのガイドナンバーが開示されていません。
(特に中国メーカは最大値しか記載がない)
無い場合は仕方ないので近い仕様の機種からなんとなく推定してみて下さい(笑)
NikonのSB-5000というストロボの活用ガイドには以下のように記載されています。
・Nikon公式HP – SB-5000商品紹介ページ
・Nikon公式HP – SB-5000の活用ガイド
ストロボから被写体までの距離とガイドナンバーの関係
被写体までの距離と被写体に届く光の量は距離の2乗に反比例します。
(光は同芯球状に広がるので球の表面積S=4πr2より)
なので、被写体との距離が2倍になると光の量は1/4倍になります。
光の量が1/4倍になった時に同じ露出とするには絞りは1/2倍にすれば良いので、ストロボから被写体までの距離をL [m] とすれば適正露出になる絞り値Fは F=GN/L となります。
ISO感度と発光強度
ISO感度と発光強度は他の露出と同じように考えれば良いです。
ISO感度を1段上げれば絞りは1段分絞れますし、発光強度を半分にすれば絞りは1段分開ける必要があります。
カラーフィルターやソフトボックスを使った場合
これは概ね、以下を目安にして下さい。
・カラーフィルター … 約1段分暗くなる
・ソフトボックス … 約2段分暗くなる (それと照射角も24~50mm相当程度で考える)
発光量の目安を計算する
では、ここまでの理屈から発光量をどの程度にするか計算してみましょう。
<設定条件>
・ISO感度 : 400
・絞り : f/6.3
・ソフトボックス : 有り
・ストロボと被写体の距離 : 3m
・照射角24mmでのGN : 27 (SB-5000のスタンダード配光)
<適正露出になる絞り値の推定値計算>
$$
F = GN(angle) \times \sqrt { \frac {1} {D} } \times \frac {1} {L} \times \sqrt { \frac {ISO} {100} }
$$ $$
\begin{cases}
GN(angle) ~ : ~ 照射角=angleの時のガイドナンバー \\
D~~~~~~~~~~~~~~~~\, ~ : ~ ディフューザなどの減光係数 ~ (ソフトボックスは2段なので2^{2段} ~ → ~ D=4) \\
L~~~~~~~~~~~~~~~~~ ~ : ~ 発光面から被写体までの距離 ~ [単位:m] \\
ISO~~~~~~~~~~~~\, ~ : ~ ISO感度
\end{cases}
$$
まずはストロボをフル発光 (発光量=1/1) させた時の適正絞りを計算します。
カッコ内にガイドナンバーに掛ける指数を記載します。
①ソフトボックスがあるので2段分落とす (×√(1/4))
②被写体まで3mあるので1/3する (×1/3)
③ISO感度が400で2段分明るい (×√4)
GN×①×②×③=27×√(1/4)×(1/3)×√4=9 となるので適正露出となる絞り値はf/9です。
ここで、設定はf/6.3で撮りたいのでf/9と比べると1段分明るくストロボ発光量を 1/2 にすれば適正露出になることが分かりました。
あとは撮影してみて好みに合うように明るくしたり暗くしたりするだけです。
まとめ
以上、簡単ですが適正露出となる発光量の目安を計算する方法でした。
参考になれば幸いです。
コメントを残す