2018年3月23日(金)/ 2018年4月4日(水)/ カメラ, 写真, 写真の仕組み

こんばんは。露出の話の第2弾です。

写真の露出、明るさは絞り・シャッター速度・ISO感度によって決まります。
前回は絞りだったので、今回はシャッター速度について考えます。

シャッター速度は直感的に分かりやすいと思います。
なので、ストロボを使った場合の露出についても簡単に触れていきます。


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光の量とは?定義式は?

光の量、つまり光量Q[lm・sec]は物理的には以下の式で定義できます。

$$
Q=\int_{t_1}^{t_2}\Phi(t)dt
~~~~~~
\Phi:光束[lm]
$$

厳密には積分の形で表されますが、光束 (被写体から撮影センサーに届く光の強さ) は普通のシャッター速度であれば一定だといえるので単純に光束と時間の積と近似できます。
(スローシャッターやストロボを使ったら一定ではなくなります)

$$
Q\simeq\Phi\cdot{T}
$$

ではまずは、光の強さが一定とした場合にシャッター速度が与える影響について考えていきます。

シャッター速度による写真の明るさの変化

シャッター速度とは、カメラのセンサーがシャッター幕によって遮られていない時間のことです。
つまりシャッター速度の時間だけセンサーに光が届きます。

従って、光の強さが一定だとすれば、シャッター速度と光量は比例します。
シャッター速度が長くなればなるほど明るくなるということです。
絞りに比べれば非常に分かりやすく直感的ですね。

ここで、シャッター速度が2倍に伸びるとどれほど明るくなるのでしょうか?
もちろん光量としては2倍に増えますが、人間の目にはそれほど明るくなったようには見えません。

これが少しでも暗くなると途端に手振れしやすくなる原因です。
以下にシャッター速度を倍々していった時の写真を載せます。


SS = 1/10sec (0.1sec)

SS = 1/5sec (0.2sec)

SS = 0.4sec

SS = 0.8sec

SS = 1.6sec

SS = 3.2sec

人間の感覚は線形ではなく対数的な感覚となる (明るさ以外にも音量や味覚など) ので、明るさが倍になっても見た目には倍の明るさには見えません。

明るさを倍にすることを露出では “+1EV” (Exposure Value) や “1段明るくする” などと表現しますが、このEVや段で表現するとどの程度の明るさ (暗さ) からでも同じような感覚で露出を考えることができます。
慣れれば現像などで「あと+0.2EVしたいなぁ」と明るさとEVの関係が分かってきます。

ストロボを使った場合

では、次にストロボを使った場合についてです。

ストロボとはそもそも非常に短い時間の光を発光させることができる装置を指しています。
エンジンの点火タイミングを測る際にも使われます。
(点火に合わせて発光するようにすればエンジン軸に角度板などを付ければ止まって見えます)

ストロボスコープ(英: Stroboscope)は、一瞬だけ点灯する光源を一定間隔で繰り返し発光させる装置、およびそれを利用して、高速回転していたり複雑な動きをしているものをわかりやすく可視化するシステムである。

Wikipedia – ストロボスコープ (https://ja.wikipedia.org/wiki/ストロボスコープ)

つまり、ストロボの光は “非常に閃光時間が短い光” ということになります。

NikonのSB-5000の活用ガイドには閃光時間の目安が載っています。
全てのストロボが同程度とは全く限りませんが、参考になります。
 ・Nikon公式HP – SB-5000商品紹介ページ
 ・Nikon公式HP – SB-5000の活用ガイド

閃光時間が約1/10,000secだとすると以下のように短い時間だけ光ります。
シャッター速度を1/100secに設定するとこの短い時間でだけ露光されます。

なので、ストロボを使う場合、被写体がブラックボックスになっていれば露出はシャッター速度に関係なくストロボの強度だけに依ります。


SS = 1/80sec

SS = 1/40sec

SS = 1/20sec

SS = 1/10sec

ちなみにですが、ストロボが当たっている範囲はシャッター速度に無関係ですが、ストロボの光が届かない範囲はシャッター速度に応じて露出が変わります。
上の写真も分かりにくいですが、背景が若干シャッター速度で変化しています。
※ストロボの光が拡散して背景にまで広がっているので分かりにくくなってます。

シンクロ (同調) 速度とは?

ストロボを使う時に必ず出てくるシンクロ速度…。
一般的にストロボを使う際はシンクロ速度よりも長い時間に設定する必要があります。
(ハイスピードシンクロなどを除く)

これはストロボの閃光時間が非常に短いことが関係しています。
シャッター速度がシンクロ速度よりも早くなるとシャッター幕が全開にならず、幕切れという現象が起こります。

以下のような写真になります。写真の一部が不自然に黒くなります。
※この写真は合成です。α6300の内蔵フラッシュを使うと1/160sec未満の時間に設定できない為。

カメラのシャッターはある速度 (=シンクロ速度よりちょい早い速度) よりも早く動くことができないので、早いシャッター速度の時には前後のシャッター幕が僅かな時間差 (=シャッター速度) で並走してセンサーが露光される時間が短くなるようになっています。
従って、シンクロ速度よりも早いシャッター速度ではセンサーが全開になる瞬間が存在せずストロボが発光してもセンサーの一部にしか露光されなないということです。

ちなみにですが、シンクロ速度はセンサーサイズが同じ時、低級機 (入門用) よりも高級機 (プロ用) の方が早い速度であることが多いです。
センサーサイズが小さい方が当然有利なので、センサーサイズが小さい方がシンクロ速度は速くなる傾向にあります。

SONYのミラーレス一眼ではα9/α7系は1/250secで、α6000系は1/160secです。
センサーが小さいα6000系の方が遅いですが、小さなボディに押し込む為にシャッターユニットの耐久性などが悪いんでしょうね。
上位機種との棲み分けという可能性もありますね。

ハイスピードシンクロとは?

ハイスピードシンクロは、先のシンクロ速度よりも早いシャッター速度でも幕切れを起こさないように工夫した発光方法です。

具体的には短い間隔でパルス状に何度も発光させることでどのセンサーにも均等に露光されるようにしているわけです。

でもなぜこんなことをするんでしょうか?
それは、ストロボが当たらない背景などが非常に明るい日中に背景を白飛びさせずに写真に写し込むことができるからです。

特に絞りを開けて背景をボカしながら撮影するとした場合、背景に露出を合わせると簡単にシンクロ速度よりも早いシャッター速度が必要になります。
試しに絞り開放 (f/2.8とかf/1.8とか)、ISO100、シャッター速度1/160secなどで撮影すると白飛びし放題な写真が出来上がります(笑)

※NDフィルターを使う方法もあります。

まとめ

以上、シャッター速度とストロボによる露出の考え方でした。

ストロボを使わない場合は比較的分かりやすいと思います。

ストロボを使う場合はシャッター速度に関係なく被写体の露出が決まります。
この時、背景などのストロボが届かない範囲はシャッター速度で露出を決めます。

撮影の幅が圧倒的に広がるので是非、ストロボも使ってみて下さい。

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