以前RyzenでPCを組みたいと記事を書いておきながらまだ着手しておりません。すみません。
しかしこれには理由があります。
それはRyzenの第二世代「Zen+」(コードネーム:Pinnacle Ridge) が発売されるという情報が3月初旬にリークしたからです。
プロセスルールが14nmから12nmへと微細化され、より高クロック化されてシングルスレッドの性能が大幅UPするということでした!
これは待つしかないと期を伺っていました。
そこで今回はそんな期待値高めのRyzen 2000番台についてまとめます。
(2018/09/04追記)
Ryzen 7 2700X を使った製作記事を書きました!
これから初めて自作してみよう!という方は是非ご覧下さい!
時間が経ってしまったので、構成を再検討しました。
最初に考えた構成や必要スペックなど。
(2018/08/29追記) パーツ購入しました!まとめたのでそちらの記事もどうぞ。
第1世代とのスペック・ベンチ比較
まずは基本情報ということで第1世代の1000番台とスペックとベンチマークを比較します。
新規で追加された2000番台は次の4製品です。
既に2200Gなどのローエンドは発売されていました。
・Ryzen 7 2700X
・Ryzen 7 2700
・Ryzen 5 2600X
・Ryzen 5 2600
ここではCinebenchしか比較していませんので、他のベンチの結果もしりたいという方は以下のページが参考になるでしょう。
やはり分かりやすいのはいつものちもろぐさんです。
いつも勝手にリンクさせて頂いています。ありがとうございます。
・ちもろぐ – 【最新版】超わかりやすい「CPU」の性能比較表【441個収録】
・ちもろぐ – 「Ryzen 7 2700X」の強みと弱み:「i7 8700K」と性能比較
・ちもろぐ – 「Ryzen 5 2600X」はコスパ最強か:「i5 8400」と性能比較
それとメモリ帯域 (≒クロックの高さ) がRyzenの性能にどの程度影響するかという記事も目を通しておいた方がいいですね。
・ちもろぐ – AMD Ryzenのゲーミング性能はメモリークロックが重要
Ryzen 7 2700X vs 1700X
まずは、ハイエンドからでしょう!
2700Xと1700Xを比較していきます。
項目 | Ryzen 7 2700X |
Ryzen 7 1700X |
備考 |
---|---|---|---|
世代 | Zen+ | Zen | – |
プロセスルール | 12nm | 14nm | 高クロック化や低消費電力化、 価格の低減が期待できる |
コア / スレッド | 8 / 16 | 8 / 16 | – |
ベースクロック / ブーストクロック |
3.70GHz / 4.35GHz |
3.40GHz / 3.80GHz |
シングルスレッド性能の 向上が見込める |
L1 / L2 / L3 Cache |
768kB / 4MB / 16MB | 768kB / 4MB / 16MB | キャッシュは変更なし やはりメモリ速度がモノを云う |
対応メモリ / 最大容量 |
DDR4-2933 / 64GB |
DDR4-2666 / 64GB |
より速いメモリに対応! |
TDP | 105W | 95W | 配線を狭くして高クロック化 しているのでTDPがUP |
リテール クーラ |
付属 | 無し | 光るリテールクーラが付属 |
小売希望価格 | $369 | $399 | スペックUPしてもコストDOWN! |
ご覧の通り、順当にスペックアップしています。それも小売希望価格が下がって!
※小売希望価格は下がってますが、実売価格は2000番台の登場で1000番台が安いのが現状です。
プロセスルールが微細化されたことで高クロック化に成功してこれまで Intel Core シリーズに押されていたシングルスレッド性能も十分に高くなってきています。
(それでまだ Core シリーズが強いです)
CPU | Cinebench R15 シングル | Cinebench R15 マルチ |
---|---|---|
Ryzen 7 2700X | 178 | 1801 |
Ryzen 7 1700X | 134 | 1531 |
Core i7 8700K | 198 | 1395 |
ベースクロック自体も3.7GHzと高くなっており、ブーストクロックに関しては4.35GHzとついに4GHzの壁を越えました!
Zen世代 (Ryzenの1000番台) では4GHzは難しかったようですが、微細化※の恩恵を全力で受けていますね。
※微細化すると同じクロック・電圧なら発熱が下がるのでよりクロックを上げることができるようになります。
また、光るリテールクーラが付属されるようです。
Ryzenの付属品はオーバークロック等しなければ十分な性能ですので、有難いですね。
写真を見るとヒートパイプを採用した冷却能力の高いものです。
2018/06/02現在では1700Xの方が安いですが、そのうち逆転するでしょうね。
というよりも2700Xのお陰か、1700Xが3万円を切ったので今が買い時かもしれません(笑)
CPUクーラを別で用意してもおつりが来ます。
(性能差もありますが、後述するチップセットの都合で旧世代がコスト的に有利です )
Ryzen 7 2700 vs 1700
続いてはX無しの 2700 と 1700 を比較します。
項目 | Ryzen 7 2700 |
Ryzen 7 1700 |
備考 |
---|---|---|---|
世代 | Zen+ | Zen | – |
プロセスルール | 12nm | 14nm | 高クロック化や低消費電力化、 価格の低減が期待できる |
コア / スレッド | 8 / 16 | 8 / 16 | – |
ベースクロック / ブーストクロック |
3.20GHz / 4.10GHz |
3.00GHz / 3.70GHz |
こちらも4GHz越えを達成! |
L1 / L2 / L3 Cache |
768kB / 4MB / 16MB | 768kB / 4MB / 16MB | キャッシュは変更なし やはりメモリ速度がモノを云う |
対応メモリ / 最大容量 |
DDR4-2933 / 64GB |
DDR4-2666 / 64GB |
より速いメモリに対応! |
TDP | 65W | 65W | 配線を狭くして高クロック化 してTDPは据え置き |
リテール クーラ |
付属 | 付属 | 光るリテールクーラが付属 |
小売希望価格 | $299 | $329 | スペックUPしてもコストDOWN! |
2700X同様にスペックアップして小売希望価格は下がっています。
スペックが上がってコストダウンまで達成は技術者に頭が上がりません。
Cinebench R15 の結果でも 1700X よりも 2700 の方が上です。
やはりパソコン関係は最新のハードが最良の選択肢と云えますね!
CPU | Cinebench R15 シングル | Cinebench R15 マルチ |
---|---|---|
Ryzen 7 2700 | 166 | 1534 |
Ryzen 7 1700 | 125 | 1417 |
Ryzen 7 1700X | 134 | 1531 |
リテールクーラはヒートパイプ無しの普通の静穏タイプのようです。
TDP65Wと控えめなので十分でしょう。
Ryzen 7 1700 も付属しているので特筆するほどの違いはありません。
Ryzen 5 2600X vs 1600X
次はミドルレンジの比較です。
項目 | Ryzen 5 2600X |
Ryzen 5 1600X |
備考 |
---|---|---|---|
世代 | Zen+ | Zen | – |
プロセスルール | 12nm | 14nm | 高クロック化や低消費電力化、 価格の低減が期待できる |
コア / スレッド | 6 / 12 | 6 / 12 | – |
ベースクロック / ブーストクロック |
3.60GHz / 4.25GHz |
3.60GHz / 4.00GHz |
ブーストクロックのみUP! |
L1 / L2 / L3 Cache |
576kB / 3MB / 16MB | 576kB / 3MB / 16MB | キャッシュは変更なし やはりメモリ速度がモノを云う |
対応メモリ / 最大容量 |
DDR4-2933 / 64GB |
DDR4-2666 / 64GB |
より速いメモリに対応! |
TDP | 95W | 95W | – |
リテール クーラ |
付属 | 無し | 光るリテールクーラが付属 |
小売希望価格 | $249 | $249 | – |
価格も据え置きでベースクロックも変わらずとあまり違いはありません。
Cinebenchの結果はシングルスレッド性能がブーストクロックの上限が上がった分だけ高くなっているようです。
ブーストクロックの上限が0.25GHz上がっているので、オーバークロックをやる人は恩恵があるかもしれません。
この辺は様子見してからでも遅くないと思います。
CPU | Cinebench R15 シングル | Cinebench R15 マルチ |
---|---|---|
Ryzen 5 2600X | 175 | 1378 |
Ryzen 5 1600X | 162 | 1309 |
2600Xにはリテールクーラが付属する (1600Xには付属しない) のでその分はお得なCPUになっていそうです。
わざわざ買い替える必要はないですが、これから検討する方は 2600X にしておけば良いと思います。
Ryzen 5 2600 vs 1600
次はX無しのミドルレンジです。
項目 | Ryzen 5 2600 |
Ryzen 5 1600 |
備考 |
---|---|---|---|
世代 | Zen+ | Zen | – |
プロセスルール | 12nm | 14nm | 高クロック化や低消費電力化、 価格の低減が期待できる |
コア / スレッド | 6 / 12 | 6 / 12 | – |
ベースクロック / ブーストクロック |
3.40GHz / 3.90GHz |
3.20GHz / 3.60GHz |
ブーストクロックのみUP! |
L1 / L2 / L3 Cache |
576kB / 3MB / 16MB | 576kB / 3MB / 16MB | キャッシュは変更なし やはりメモリ速度がモノを云う |
対応メモリ / 最大容量 |
DDR4-2933 / 64GB |
DDR4-2666 / 64GB |
より速いメモリに対応! |
TDP | 65W | 65W | – |
リテール クーラ |
付属 | 付属 | 光らないリテールクーラが付属 |
小売希望価格 | $219 | $199 | – |
こちらはクロックも1段上がって、小売希望価格も下がっています。
性能もシングルスレッド、マルチスレッドどちらも上がっています。
CPU | Cinebench R15 シングル | Cinebench R15 マルチ |
---|---|---|
Ryzen 5 2600 | 160 | 1234 |
Ryzen 5 1600 | 146 | 1156 |
2600は価格も安く、普通にゲームとかする程度なら十分に高性能なので特に明確な目的がないならこのCPUから構成を決めていっていいでしょうね。
最終的に予算に余裕があればより上位のCPUを検討すれば良いです。
Ryzen 2000番台は買いなのか!?少し時期尚早かもしれない・・・
ここまで見て頂いて性能は文句なく旧世代Zenから進歩しています。
価格が落ち着けば間違いなくオススメです。
しかし、2018/06/02現在ではまだオススメするには早いかもしれません。
その理由は2つあります。
どちらも価格に関してですので、性能重視の方は無視して下さい。
価格が旧世代よりも高い
これは性能UP分と思って払える予算のある方は全く問題ありません。
しかし、まだまだ発売されて間もなく割高感は否めません。
スペック比較の項にAmazonリンクを貼っているのでご確認下さい。
小売希望価格が旧世代Zenよりも安価ですので、時間が経てばZen+世代の方が安くなりますから待てる方は待っても良いでしょう。
チップセットがハイエンドX470しかない
これも時間が解決してくれますが、現時点でという意味です。
折角コスパを重視してRyzenを選んでもチップセットがハイエンドしかまだ出ていないので、必然的にマザーボードが機能モリモリ性能マシマシの高級品しかありません。
少しすればミドルレンジやローエンドのチップセットも出てくるのでコスパ重視の方は少し待ってから買うか、旧世代という選択が有利です。
※マザボのファームウェアをアップデートすればB350などでも使えるそうですが、アップデートには旧世代のCPUが必要です(笑)
<Ryzen 2000番台対応X470搭載マザーボード>
<Ryzen 1000番台対応マザーボード>
まとめ
以上、Ryzenの新世代CPU「Zen+」と旧世代CPU「Zen」の比較でした。
これだけの性能UPさせて価格DOWNは消費者として素直に嬉しいですね。
今後も動向をチェックして何かあれば記事にしたいと思います。
もしかしたらZen+のお陰で安くなったZenで組みました!って記事かもしれませんが(笑)
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