カメラのセンサーは小さい方が簡単に失敗の少ない写真が撮れる、という話

デジタルカメラでは35mmフルサイズセンサーの画質が良いと持て囃されていますが、デカいし重いし高価となかなか万人には受けません。

そこで今回はセンサーが小さいことによる利点を考えていきたいと思います。


レンズを含めたカメラシステムが小さくなる

センサーだけでなく、カメラボディを小さくすることができます。

消費電力も小さくなる傾向にはなるので電池や電源回路などのかさばる部分が小型化できます。

また、同じ画角であれば (大きいセンサーよりも) 焦点距離が短くなるのでレンズも小さくできます。
小さく軽いレンズとなればレンズマウントの強度も抑えることができるので更にボディが小さくできます。

システムが小さいということは容易に持ち運べるので、どこにでもカメラを持って行くことができシャッターチャンスが格段に増えることになります。
従って、センサーが小さい方が良い写真が撮れる機会が上がります。

被写界深度が深く、ピントを外しにくい

これも同じ画角では焦点距離が短くなることから被写界深度は深くなる傾向にあります。

従って、被写体からピントを外しにくくなります。

APS-Cなどでは気を付けないと集合写真などでも前列にはピントが合っているけど後列には合っていないことや写したいものの一部しかピントが合っていないなどということがあります。
ましてやフルサイズだと尚更でしょう。

絞り値を小さくしやすく、シャッター速度が確保しやすい

先ほどのピントに関連しますが、被写界深度が十分にあるので絞りを開けても被写体全体にピントを合わせることができるのでシャッター速度が稼ぎやすいです。

その為、手ブレや被写体ブレを抑えることができます。

センサーが大きいとどうしても絞りたくなる場合が出てきてしまい、シャッター速度を遅くするかISO感度を上げるしかなくなります。

被写体に寄りやすい、大きく撮影しやすい

これも焦点距離の関係でより寄りやすいレンズが設計しやすいです。

マクロ撮影できるレンズはフォーカスレンズ群を大きく動かす必要がありますが、どの程度動かせばよいかというと、等倍~無限遠では “焦点距離” 程度の距離を動かす必要があります。
つまり、焦点距離が短いレンズが使えればそれだけ動かす距離を小さくなります。
なのでより寄れるレンズが小型で設計することができます。

また、同じレンズ (撮影倍率が同じ) を使う場合にもセンサーが小さい方がよりクロップされるので大きく写せることになり有利です。
フルサイズの等倍マクロ相当で良いならセンサーが小さいほど飛躍的に小型となります。

このことからどんな被写体のサイズの撮影にも容易に対応できます

センサーが小さいことによる利点のまとめ

以上により、以下のことが云えます。
全て同じ画角では焦点距離が短くなることが主な要因です。

①カメラシステムが小さくなる (小型軽量)
  ⇒ シャッターチャンスが増える可能性がある
②被写界深度が深い
  ⇒ ピント外れに対する許容度が大きい
③絞りを開けやすい
  ⇒ ブレ写真が防ぎやすい
④寄って撮れる、大きく写せる
  ⇒ 被写体のサイズが自由自在

では、なぜ、フルサイズを使いたくなるのか?

ここまでの話だけならセンサーが小さい方が全然有利に思います。

しかし、これは一つ前提条件があります。
それは「十分な光が確保できる場合」という条件です。

十分な光量が確保できない室内や夜間ではセンサーが大きい方が有利です。
センサーが小さく光が不十分だと、シャッター速度が遅くなりすぎてブレるか、ISO感度が上がってノイズだらけになりがちです。

これは、受光面積が大きくなるので光源の明るさが同じでもセンサーが大きいほどより多くの光を電気信号に変換することができ、高感度でのノイズが少なくなるからです。
(電気的に言えば「S/N比が良い」です)

また、先ほどの利点については以下のようにセンサーが大きくても同じように扱えます。
(もちろん金銭的なことは考えないとします)

②被写界深度
  ⇒ 絞りを絞れば良い
③シャッター速度
  ⇒ ISO感度を上げれば良い
④マクロ撮影
  ⇒ マクロレンズやエクステンションチューブ、クローズアップレンズを使えば良い

逆に言えば、センサーが大きい場合は自分 (撮影者) が意図して考えていかなければいけないことが多くなるということです。
その分、撮影の自由度が飛躍的に上がることは言うまでもありません。

更に云うと、センサーが大きいほどS/N比が良くなるので明暗差の激しい条件下 (逆光とか) でも白飛び・黒潰れがしにくく、肉眼に近くなってきます。
この辺りはRAW現像でやるようになると痛感します。
RAW現像しなくても微妙な明暗差がある被写体を撮った瞬間にも実感できます。

マクロも小型センサー機では広角~標準程度までしかありませんが、フルサイズなどではワーキングディスタンスを確保しやすい望遠で準備されているのもポイントです。
(標準以下だと被写体に接触するくらいまで近づく必要がある)
※センサーが小さいカメラ用では大きくなる望遠のマクロというものは無いと思います。

最後に解像度についても言及します。

解像度についてはセンサーの画素ピッチ (画素と画素の間隔) と密接な関係があります。
一般に、センサーサイズが小さいほど画素ピッチは狭くなる傾向があります。

するとレンズはセンサーサイズが小さいほどより細かく解像する必要があります。
これはつまり「センサーが小さいほど高性能なレンズが必要」ということです。

しかし、センサーが小さいシステムは小型で安価が大前提となるのでそのような高性能なレンズは作られていませんし、そもそも回折現象により解像度の限界を超えてしまう性能が要求されるので作れません。

よって、解像度の観点からはセンサーが大きいほど有利になります。
iPhoneのように小さなセンサーで画素数を抑えれば解像度はある程度保たれます。

まとめ

以上、センサーが小さい方が簡単に撮れるという話でした。

特に設定とか気にしないで撮りたい、という場合には1型とかの小さなセンサーのカメラを買うのが吉です。
カメラも軽くて小さいし、その方が確実に幸せになります。

但し、焦点距離や絞り・シャッター速度・ISO感度・被写界深度などについて十分に理解しているのであれば、センサーは大きい方が表現の幅は広がります。
ボケ表現などはその筆頭で最も分かりやすい例です。
重くて大きいカメラを使う理由は「自由度」「解像度」を求めるということに尽きると思います。

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